Shopifyの決済サービスはどれを導入すればいいの?
手数料やコスト面に違いはあるの?
ShopifyでECサイトを運営している方、構築サービスをしている方へ。
みなさんこんにちは。
Shopifyを用いたECサイトデザインをしているナカムラアキラです。
今回の記事はこのような方にオススメです。
- ShopifyのECサイトを運営する(している)が決済サービスで悩んでいる方
- Shopifyの構築サービスを提供している方
この記事を読んでいただければ、もう決済サービスの選択で悩むことはなくなるでしょう。
時間がない方は「10秒まとめ」だけでもぜひご覧ください。
10秒まとめ
決済サービスをざっくりまとめます。
Shopifyペイメント・AmazonPay・Paidy・PayPayを入れておけば、ひとまず間違いはないです。
※◯・△・×の基準は私の主観です。
決済サービス | 利用者数 | 手数料 | 運用コスト &各種リスク |
Shopifyペイメント | ◯ | ◯ 3.25〜4.15% | ◯ |
AmazonPay | ◯ | △ 3.9%+取引手数料 | ◯ |
Paidy | △ | ◯ 3.5% | ◯ |
PayPay | △ | ◯ 3.5% | ◯ |
docomo digital(携帯キャリア決済) | × | × 6.4%+取引手数料 | ◯ |
その他のクレカ決済 | ◯ | △ 3.2〜+取引手数料 | ◯ |
NP後払い | △ | × 取引手数料+α | ◯ |
銀行振込(KOMOJO) | × | △ 取引手数料+α | × |
コンビニ決済(KOMOJOなど) | △ | △ 取引手数料+α | △ |
代金引換 ※アプリ導入 | × | ◯ 月額1000円前後 | × |
取引手数料は、ベーシックプラン2.0%、スタンダードプラン1.0%、プレミアムプラン0.5%です。
決済サービスについて
商売においてとても重要な決済方法。
クレカ決済、携帯キャリア決済、コンビニ決済など、Shopifyは決済サービスを導入することで、さまざまな決済方法に対応することができます。
一口に決済方法といっても種類は多数あり、特徴も異なります。
まずは簡単に違いを見ていきましょう。
クレジットカード決済
通称クレカ決済は、Visa・Mastercard・American Express・JCBなどのクレジットカートを利用する決済です。
利用者はクレジットカードの番号などを入力することで、現金がなくても手軽に決済ができます。
当月の利用金額がまとまって翌月に銀行引き落としされたりします。
クレカ決済の特徴はユーザーではなく、店舗側が手数料を支払うことです。
携帯キャリア決済
日本の携帯電話普及率は100%を優に超えている時代ですから、ECサイトの対象となる年齢層の人はほぼ全員携帯電話を持っています。
携帯電話料金の引き落としに合わせて決済を行うのが携帯キャリア決済です。
銀行振込
店舗から請求書を発行し、銀行振込をしてもらいます。
入金を確認したら商品を発送する、という流れが一般的です。
クレジットカードは利用者の信用によって作れない場合もありますが、銀行振込なら誰でも可能です。
振込手数料は利用者が支払います。
コンビニ決済
銀行振込のコンビニ版です。
銀行が近くにないけどコンビニはある、という方も多いのではないでしょうか。
コンビニ決済も支払手数料は利用者が支払います。
代金引換
通称「代引き」は、商品が届いた際に代金と引き換えに商品を渡す決済方法です。
代金は配達員の方に渡します。
最も利用する決済手段の割合は以下の通りです。
コロナ禍前と後で変化が見られます。
2021年ではクレジットカード決済が62.6%、PayPay決済が7.4%、コンビニ決済が5.1%、その他のQRコード決済(楽天Payなど)が3.6%と続きます。
非接触のニーズにより、コンビニ決済・代引き決済などの利用は減少しているようです。
決済方法の選び方
Shopifyでは豊富な決済方法を選べる
Shopifyではさまざまな決済サービスとの連携ができ、各種の決済方法に対応しています。
クレカ決済一つにとっても、Shopifyペイメント、SBペイメントサービス、GMOイプシロンなどがあります。
あらゆる決済手段を導入すれば、全てのお客様に対応できるのですが、どの決済サービスで購入すればいいか、お客様が迷ってしまいます。
どの決済がお得か調べるのに疲れて離脱されてしまっては元も子もありません。
決済方法の選び方で詳しく紹介していきます。
導入する決済方法の選び方
決済方法を導入する際にはコストがかかります。
導入コスト・月額利用料・決済手数料・確認作業など、決済サービス毎にかかるものかからないものがあります。
そこで決済サービスは必要なもの最小限を用意し、コストがあまりかからないものを選びたいですよね。
そこで「ターゲット層の利用者数」「運用コスト」「決済手数料」で比較検討していきましょう。
ターゲット層の利用者数
導入しても利用者が少ないのでは、コストだけがかかってしまいます。
下記の図は各年代×性別で実際に利用されている決済方法のランキング上位です。
この図を参考にあなたのサイトの利用者層(ターゲット層)がよく利用する決済手段を用意するといいでしょう。
決済方法の利用者割合
どの性別・年代においてもクレカ決済は1位なため、導入は必須です。
10代を対象とする場合には、コンビニ決済やPayPay決済、後払い決済も必須と言えます。
決済手数料
ここで言う決済手数料は、サイト運営者が決済サービス提供者に支払う手数料です。(銀行振込手数料やコンビニ決済手数料などは含みません)
決済サービスによって、初期費用がかかるもの、月額固定の利用料がかかるもの、決済時のみ手数料がかかるものなどさまざまです。
当然安ければ安いほど、利益が残ります。
運用コスト&その他のリスク
運用コストは、決済手数料以外にかかるコスト全般です。
例えば銀行振込の消し込み作業や請求書発行作業も人件費というコストがかかります。
リスクについては、支払いがきちんと行われないリスクや入金確認まで在庫を残しておく機会損失リスクなどがあります。
これら1件1件では大したことがないかもしれませんが、数多く発生してくると無視できません。
注意が必要な決済方法(オススメしない)
初めにオススメをしない決済方法をご紹介します。
オススメしない理由のみ記載します。
1.銀行振り込み
入金の消し込み作業が発生するため。
また入金されずキャンセルとなるリスクがある。
その間、在庫を確保しておく必要があり、管理コストや機会損失が発生するため。
後述のPaidyで代替可能。
2.コンビニ決済
コンビニで決済されずキャンセルとなるリスクがある。
その間、在庫を確保しておく必要があり、管理コストや機会損失が発生するため。
後述のPaidyで代替可能。
3.代引き決済
代引き時に受け取り拒否をされ、返品されるリスクがあるため。
その際の配送料は運営者負担になるため、損失が発生する。
また機会損失も発生するため。
4.Shopifyペイメント以外のクレカ決済
内容が同じだが、Shopifyペイメントより手数料が高く導入する理由がないため。
ただしAmazonPayのように別のメリットがある場合は除きます。
※特定の条件下では安くなる可能性があるが、差額は微々たるものであり、お客様に余計な混乱を招く恐れがあり、大多数のストア様には関係ないことにより不採用。
オススメの決済方法
1.Shopifyペイメント(クレカ決済)
Shopifyが提供するShopifyペイメントを設定するだけで、クレジットカードで決済ができるようになります。
JCBのみ審査が必要です。(私はサイト作成をしてすぐにJCBに審査申請をしましたが、問題なく通りました)
手数料はShopifyのプランやカードのブランドによって差がありますが、3.25〜4.15%程度です。VISA・MATERなどは3.25〜3.4%ですが、JCBは4.05〜4.15%と手数料が少し高くなります。
Shopifyペイメントを導入することで、以下の3つの決済サービスも導入することができます。
Apple Pay
Appleユーザーが利用できるApple Payで決済ができるため、少ないステップで決済が可能です。
Google Pay
Googleユーザーが利用できるGoogle Payで決済ができるため、少ないステップで決済が可能です。
Shop Pay
お客様が以前にShopifyのECサイトで決済をしており、「スピーディーなチェックアウトのため、情報を保存する」にチェックを入れている場合、SMS認証だけでスピーディな決済が可能です。
2.Amazon Pay
Shopifyでは、Amazon Payを初期費用・月額料金無料で導入できます。
導入には審査が必要です。
導入するとAmazonに登録してあるクレジットカードで決済が可能です。
しかし取引手数料として0.5〜2.0%が追加でかかります。
クレジットカードはShopifyペイメントで使えるのに、なぜ割高になるAmazon Payを導入するかと言うと、Amazonのブランド力を借りるためです。
初めて訪問したサイトでクレジットカードの情報を入力することに心理的抵抗を持つ方が一定数います。
せっかく訪問してもらい興味を持ってもらっても、サイトの信頼がなく購入を断念されたらもったいないですよね。
このような方に対しAmazon Payを経由することで、安心して商品を購入してもらうことができます。
またAmazonの日本ユーザー数は約5,400万人にのぼるため、購入者の多くがアカウントを持っていることが期待されます。
以上の2点により、少し決済手数料が高いですがユーザー数を獲得できることを考えると、余りあるメリットがあります。
3.Paidy
なじみのない方もいらっしゃるかと思いますが、Paidyはクレジットカード決済以外の決済方法をカバーしてくれる決済サービスです。
BNPL(Buy Now Pay Later)と呼ばれる「後払い」を意味するサービスの一つです。
上述の通り、銀行振込やコンビニ決済や代引きといった「後払い」では、運営者の負担が大きいです。
しかしながら、10代〜20代の顧客層に後払いのニーズは強くあります。
このPaidyは購入者の「後払い」のニーズと運営者の「コスト削減・リスク回避」のニーズの両方を満たすサービスです。
購入者は、メールアドレスと電話番号認証だけで商品の購入ができます。
商品受け取り後、毎月の利用額を翌10日までにコンビニ・銀行振込・口座引き落としのいずれかで支払います。
購入者は欲しいと思った時に商品を購入し、先に商品が受け取ることができます。
運営者は、初期費用・月額使用料なく決済手数料のみで利用できます。
決済手数料はショップによって変わるそうですが、概ね3.5%のようです。
Paidyの魅力は「売上100%保証」で、ショップ側は未払いのリスクを回避できます。
なお同じ後払いサービスでは、「NP後払い」などもありますが、
- 決済手数料が高い
- 月額固定費がかかる
- 請求書発行料がかかる
などの理由で、Paidyの方がよいと判断しました。
4.PayPay
近年PayPayをはじめとするQRコード決済が非常に浸透しています。
よく利用する決済手段においてはクレカ決済につぐ2位に位置していますし、利用者数は2022年7月時点で4900万人以上です。
特に若者向けの商品を扱う場合には必ず導入すべきです。
ShopifyにPayPay決済を導入するには、SB Payment Serviceを有効にすれば利用できます。
PayPayの初期費用や月額費用は無料で、決済手数料として3.5%がかかるだけです。
ちなみにLINE Payやメルペイは「KOMOJO」という決済サービスを導入することで有効化できます。
ただし楽天ペイは、楽天ショップを開店していないと導入できないようです。
ECサイトによってはあってもいい決済方法
5.携帯キャリア決済(docomo digital)
若年層世代をターゲット層とする場合
「docomo digital」を導入すると、NTT DOCOMO、au、Softbankの携帯料金支払い時に決済をすることができますので、クレジットカードを持っていないが携帯電話は持っているという方をターゲットに加えることができます。
10代の9.5%、20代の6.4%が日常的にキャリア決済をしているようですから、若年層向けの商品を扱う場合には、導入しておく価値はあります。
ただし、決済手数料6.4%(デジタルコンテンツは15%)+取引手数料0.5〜2%がかかり、利益を圧迫するので、商品の利益率と相談しながら導入をしてください。
クレジットカードを持っていない方向けには、Paidyで対応するのがいいと私は考えております。
6.PaypalやStripeなど
越境ECを行う場合
PaypalやStripeは日本では馴染みがないですが、海外では非常に有名な決済サービスです。
越境ECを行う場合には、現地で普及している決済サービスを使うのがベストな選択です。
越境ECを考えている場合にはどの決済サービスが普及しているかを事前に調査し、導入することをオススメします。
まとめ
いかがでしょうか。
今回は決済サービスに絞って紹介いたしました。
Shopifyにおける決済サービスは、
- PaidyがShopifyで利用可能になったのが2020年6月
- PayPayがShopifyで利用可能になったのが2020年9月
- JCBがShopifyペイメントに加わったのが2020年10月
このように随時更新されています。
今後も最新情報をキャッチアップして紹介していきますので、ぜひまたお立ち寄りください。
お読みいただき、ありがとうございました。